ゴルフではバンカーや池、クリーク(川)といったハザードが全くないゴルフ場は世界広しといえど、先ずありません。池やクリークが絡むホールはなくても、フェアウェー上あるいはグリーン周りには必ずといっていいほどバンカーが存在します。
ハザード内から次のショットを行なうとなると、通常のショットに比べても不利な環境となるため、その分細かくゴルフルールも設定されています。ある意味、プレーヤーがズルをしないための措置とも考えられなくはないですが(笑)。
ではルール上、バンカーや池、クリーク(川)といったハザード内での素振りは大丈夫なのか?
ここでは、ハザード内でのプレーについて現在規定されているルールを解説して、素振りの可否も含め、やっても大丈夫なことと、禁止事項について説明していきたいと思います。
バンカー内でのルールを理解する
ゴルファーであればゴルフラウンドを重ねていくと、バンカーにボールが入るという経験を必ずします。
バンカー内でのルールについては、ほとんどのゴルファーがゴルフクラブが砂に触れてはならないということは知ってると思います。ところがバンカーに関連したルールには他の要素もゴルフ規則に定められています。素振りに関する規定はあるのでしょうか?
バンカー内で規定されている禁止ルール
自身のボールがバンカー内にあり、これからそのボールをショットするにあたって適用される禁止ルールとして:
- バンカーの砂の状態(砂の硬さや深さなど)をテストすること
- ショットの前にバンカー内の砂を均すこと
- ショットの前にバンカー内の地面にクラブや手が触れること
- バンカー内にあるルースインペディメント(小石、木の葉、小枝、虫類、動物の糞など)に触れたり、動かすこと
となっています。素振りに関する明確な規定については全く表記がありませんね。
バンカーの地面にクラブが触れてはならない以外にも手でも触れてはならないことになっていることに注意が必要です。
またバンカーの砂が乱れているからといって足で砂を均す行為も禁止事項となっていますので注意しましょう。
更に、特に初心者の間は、ルースインペディメント(聞きなれない言葉ですが)に対する認識が浅い傾向があると思います。
ルースインペディメントとは
- 石、木の葉、木の枝など
- 動物の糞ミミズ、虫類、その他類似のものおよびその放出物や堆積物
と規定されている。
打つボールの近くに木の葉があったり、小さな虫がいたりするとついついどけてしまいそうになります。バンカー内でこれをやるとアウトとなりますので覚えておきましょう。私も初心者時代は知らずに動かした経験ありです(笑)。
ここに示したバンカー内でのルールに違反すると、ペナルティとして2打罰が課せられます。1打罰ではなく2打罰なので気をつけましょうね。
バンカー内で認められる例外措置
上記に示した禁止事項に対してバンカー内では例外措置も認められています。これも同時に知っておくといざという時に迷わずにすみますので是非覚えておきましょう。
その例外措置として:
- 複数のクラブを持って入り、使用クラブ以外をバンカー内に置くこと
- バンカー内で意図せず転んだり、転びそうになることを防ぐために手やクラブで地面に触れてしまうこと
と規定されています。
ルール上問題はないとは言え、私としてはバンカー内に使用しないクラブを置くことはできるだけ避けるようにしていますが。。。
また、稀にバンカー内に地面から草類や樹木類が生育しているケースがあります。スイングの途中でこれらに触れることはルール上問題ありませんので覚えておきましょう。
これら禁止事項や例外事項を総合的に検証すると、バンカー内で素振りをすることは、問題無しと判断できますよね。そうです、素振りはOKです!
但し、素振りと称して例外措置となっている、草や樹木の邪魔な部分を切ったり、折ったりすることは違反となりますので注意が必要です。
池やクリークが絡んだエリアではどうなのか?
バンカー同様、ハザードエリアとしてゴルフコースには池もあればクリーク(川)もあります。
たとえボールが水中になくても赤杭や黄杭あるいはその色のラインが引かれたハザードエリア内にボールがあった場合のルールとして:
- 池やクリークの水面に手やクラブが触れてはいけない
- 水中でなくても、赤杭や黄杭エリア内でも手やクラブが地面に触れてはならない
- ルースインペディメントに触れたり、動かすことも禁止
となっています。ここでも素振りに関する明確な表記がありません。
更にボールの置かれた状況により:
- そのままショットを行なう
- ショットが不可能な状況や不可能と判断した場合は1打罰を加えて規定されたエリアにドロップしてプレーを継続
という選択肢があります。
実際のところ、ボールが水に絡んで浅瀬にある場合はショットをするという選択肢は無いことはありません。よくプロの試合では、グリーンまわりの浅瀬から、いわゆるウォーターショットと称してボールをグリーンへ運ぶシーンを時に見ることがありますよね。
このウォーターハザードからのショットでも手やクラブで水面に触れることは許されませんが、素振り自体はこの場合でもOKです。ただ、ウォーターショットについてはアマチュアレベルでは先ず成功することは皆無といって良いので避けた方が無難でしょう。
あえて挑戦するのであれば、水の中に入る際、水の揺れによってボールが動いてしまうとボールを動かしたことになってしまい、1打罰のペナルティーの対象となるので注意しましょう。
いかがだったでしょか。ゴルフルールの中でも、バンカーや池、クリークといったハザードエリア内にボールが絡んだ場合は、次のショットを打つにあたってルール上、細心の注意を払う必要があることが理解できたのではないでしょうか。とにかくハザード内での素振りは気にする必要性はなさそうです。
この記事のまとめ
- バンカー内ではクラブのみならず手でも地面に触れることはできない
- 意図せずに転んだり、転ぶことを避けるために手やクラブが触れることは例外としてOK
- バンカー内では地面の硬さや深さをテストしたり地面を均す行為は禁止
- バンカー内のルースインペディメントは動かすこと触れることは禁止
- バンカー内の草木といった生育物には触れてもOK
- ウォーターハザード内でも水面にクラブや手が触れることは禁止
- ハザード内での素振りは全く問題なし
ゴルフには数え切れないほどのルールが細かく規定されています。その中でもバンカーや池、クリークといったハザード内での規定は厳しく設定されていますので、基本をしっかりおさえておきましょう。ここで素振りはOKなのだろうかといった、ちょっとした疑問点についても同伴者に相談するという紳士な姿勢がグッドプレーヤーの基本となります。
常にグッドマナーで楽しいゴルフとしたいものですね。